ボロボロの図面製本は捨てる?それとも?

図面製本は多くの場合経年劣化で破れたり薄くなったりして劣化損傷しています。
それでも貴重な情報資産として、またコンプライアンス対応として電子化しなければなりません。
ここでは電子化後に残された図面製本をどうするかのご提案を致します。
- 不要なものは廃棄すべき
倉庫や事務所のスペース確保のために図面を電子化する事は多くなっています。
もちろん複製としてのスキャンデータは残りますが、原本を破棄するには相当の決断が必要です。
しかし、固定費の削減が目的の場合にはやむを得ません。
廃棄には様々な方法があります。
➢ 通常の産廃として廃棄する
➢ 金具などを取り外して分別廃棄する
➢ 専門業者に依頼して焼却処分する
➢ 専門業者に依頼して溶解処分する(用紙の種類によっては溶解出来ないものもあります)

- 原本を保存する場合は再製本すべき
そもそも図面製本を電子化する時点で原本は相当に傷んでいる事がほとんどです。
これをそのまま保存しても情報の劣化は免れません。
一方スキャンデータは検索や閲覧には圧倒的な利便性を発揮します。
しかし、真正性(正しく偽りでない事)や視認性(見易さ)は紙の方が上です。
紙には紙の良さがあるのです。
そしてそれはデータには置き換えられないものです。
原本を紙として残すには幾つかの方法があります。
➢ 厳格な管理体制の下で原本をそのまま保存する
➢ スキャンデータから原本と同じ仕様の図面製本を作る
➢ スキャンデータから縮小版の図面を印刷してファイルする
➢ スキャンデータから原本に似せた簡易製本を作る

- お勧めは簡易製本です
前述の紙として残す方法の中から現実的な方法を消去法でご提案します。
①厳格な管理体制の下で原本をそのまま保存する
図面製本ではほぼ無い選択肢です。
劣化を防ぐには湿度や温度管理に加えて酸化を防ぐ必要があります。
これを防ぐには博物館級の設備を要しますので論外と言えるでしょう。
②スキャンデータから原本と同じ仕様の図面製本を作る
予算があるのであればベストな方法ですが、より安価な方法を考えましょう。
③スキャンデータから縮小版の図面を印刷してファイルする
よくあるのがA1判の図面製本をA3判に縮小印刷してドッチファイルに綴じる方法です。
図面の種類にもよりますが、縮小する事で数字や文字が小さすぎて読めなくなります。
逆に判読可能な図面であればこれがベストな方法です。
④スキャンデータから原本に似せた簡易製本を作る
縮小せずに、しかも製本の仕様を安価な方法に変更して保存する方法です。
これであれば管理も容易で判読性も確保できます。
紙の利便性を残す一方で保管スペースが必要になる事は避けられません。
簡易製本にも様々な仕様があります。
図面製本の多くは金や黒の箔押しによって表紙のタイトル表記がされています。
しかし箔押しは高価な印字方法であり、その図面の持つ価値を表す贅沢な仕様と言えます。
よって簡易製本には表紙や背表紙の文字を入れずに製本する方法が見受けられます。
ドッチファイルやフラットファイルであればテプラ(ラベルプリンターによる印字シール)で表記する方法も安価に済ませる方法の一つです。
しかし表紙タイトルにテプラでは、原本に比べて見栄えが悪いのも事実です。

そこで当社では印刷でのタイトル表示をご提案しています。
もちろん一般的な観音製本に使用される表紙素材も利用可能です。
図面製本の表紙に直接印刷するため、あとでシールが剥がれる心配は無用です。
箔押よりも安価で、シールのような煩わしさはありません。
図面製本を再製本する際にお申し付けください。