文書（ドキュメント）の電子化で最も多く利用されているのはAdobeのPDFフォーマットです。閲覧用のAcrobatリーダーは無料で配布されているうえ、様々なオプション機能が用意されています。スキャニング時にOCR処理を施すことによりテキストデータを抽出することが出来、そのテキストデータを画像の上に透明レイヤーとして追加することで疑似的な文字検索も可能になります。そのほかには富士フィルム社のDocuWorksなどがあります。

図面をデータベース化するには事前に利用方法を決めておくことが必要です。単に保存するためであればPDFフォーマットでスキャンし、図番や図面名称をファイル名としてフォルダ分けすれば済みます。もしも図面が製本やファイルに綴じられているのであれば、製本やファイルのタイトルをファイル名として1冊をそのままマルチファイルとして1ファイルに纏めると管理がし易くなります。

電子化した図面データをCADデータと同じように一元管理するのであれば専用のシステムにコンバートすることをお勧めします。その際に図面名称や縮尺などの付帯情報を追加しておけば検索性も高まり、データベースをより便利に活用できます。

基本的にデータベースはサーバーに格納します。最も小規模のデータであればNAS（ネットワークHDD）、一般企業レベルであれば社内サーバーやクラウドサーバーを利用する方法もあります。どの程度の人数や規模で利用するかによりますが、ある程度余裕のある容量を設定する方が安心です。データベースとしての活用ではなく保存目的であれば円盤メディア（DVDなど）や外部記憶媒体（HDDなど）に格納して必要に応じてPCで閲覧する方法でも問題ありませんが、いずれも長期保存には適さないので保存期間を設けて新しい媒体にコンバートすることをお勧めします。

データベースの構築費用は主に以下の要件によって算出します。

データ量

格納するデータ量によって必要となるストレージ容量が変わります。
コンバートする作業時間によって算出。

データ階層

フォルダ分けやフォルダの階層によって検索性能が変わります。
フォルダ分けの作業時間によって算出。

クライアント数

同時にアクセスするクライアント数によって活用規模が変わります。
クライアント設定数による単価制。

格納媒体（サーバー）

サーバーの種類のよってパフォーマンスが変わります。
NASや自社サーバーの場合は購入費用。
クラウドの場合は利用期間による使用料。

ソフトウェア

閲覧ソフトによって利用方法が変わります。
PDFなどフリーソフトの場合は無料。
有料ソフトの場合は利用内容によるライセンス費用。