
◆ 民間企業が紙資料の電子化を行う理由とは
企業が紙資料の電子化(文書・図面・契約書・帳票など)を行う理由として、特に多いものは次の3つです。
1. 業務効率の向上
- 必要な資料をキーワード検索ですぐに探せる。
- 保管場所まで取りに行く手間がなくなる。
- 社内で同時に複数人が閲覧・共有できる。
- テレワークや外出先からも資料を利用できる。
2. 保管スペース・コストの削減
- キャビネットや書庫などの保管スペースを削減できる。
- 紙の印刷費、コピー費、ファイリング費用を抑えられる。
- 文書保管倉庫の賃料や管理コストを削減できる。
3.情報管理・BCP(事業継続)の強化
- 閲覧権限を設定し、機密情報を適切に管理できる。
- バックアップにより、火災・水害・地震などで紙資料を失うリスクを軽減できる。
- 法令で定められた保存期間や監査対応が容易になる。
これらは多くの企業が電子化プロジェクトを進める際の代表的な目的となっています。
◆ 自治体や官公庁が電子化を行う理由
自治体や官公庁が紙資料を電子化する理由は、企業と共通する点もありますが、行政サービスの継続性や公文書管理といった公共機関特有の目的がより重視されます。代表的な理由は次の3つです。
1.行政サービスの効率化・住民サービスの向上
- 必要な行政文書を迅速に検索・閲覧できる。
- 部署間で情報共有が容易になり、事務処理時間を短縮できる。
- オンライン申請や電子決裁など、デジタル行政(DX)の基盤となる。
- 住民への対応時間を短縮し、サービス品質を向上できる。
2.公文書の適正管理・法令遵守
- 公文書管理法や各自治体の文書管理規程に基づいた適切な保存・管理ができる。
- 保存期間の管理や廃棄時期を適切に運用できる。
- 情報公開請求や監査への対応を迅速に行える。
- 文書の検索性・真正性・完全性を確保しやすくなる。
3.災害対策・事業継続(BCP)の強化
- 地震・火災・水害などによる紙文書の滅失リスクを低減できる。
- バックアップや複数拠点での保管により、重要文書を保全できる。
- 災害発生時でも行政業務を継続しやすくなる。
- 復旧・復興業務に必要な情報へ迅速にアクセスできる。
企業では「コスト削減」が主要な目的となることが多い一方、自治体や官公庁では住民サービスの向上、公文書の適正管理、行政機能の継続性がより重要な目的となる点が特徴です。
◆ 企業と自治体の電子化を進める上での注意すべき点(比較)
企業と自治体では、電子化の目的や求められる管理水準が異なるため、注意すべき点にも違いがあります。比較すると次のようになります。
| 項目 | 企業 | 自治体・官公庁 |
| 電子化の目的 | 業務効率化、コスト削減、競争力向上 | 行政サービス向上、公文書管理、法令遵守 |
| 法令・規程への対応 | 電子帳簿保存法、個人情報保護法、業界規制などへの対応 | 公文書管理法、個人情報保護法、自治体文書管理規程、情報公開制度への対応 |
| 文書の真正性・信頼性 | 契約書や証憑類の真正性を確保することが重要 | 公文書として証拠能力を維持するため、真正性・完全性・可用性の確保が必須 |
| セキュリティ対策 | 営業秘密や顧客情報の漏えい防止 | 個人情報、住民情報、機密行政情報の厳格な管理とアクセス制御 |
| 保存・廃棄管理 | 法定保存期間や業務上の必要性に応じて管理 | 保存年限を厳格に管理し、廃棄も規程に従って実施 |
| 検索性・利便性 | 業務効率を重視し、検索しやすい分類・ファイル名を設定 | 情報公開請求や監査を想定し、分類・索引・メタデータを適切に付与 |
| 災害対策(BCP) | 事業継続のためのバックアップやクラウド活用 | 行政機能の継続を目的とした多重バックアップや遠隔地保管が重要 |
| 電子化品質 | 業務利用に十分な画質・解像度を確保 | 長期保存を前提に、高画質・完全性・欠落のない電子化が求められる |
共通して注意すべき点
- スキャン漏れやページ抜けを防ぐ品質管理を徹底する。
- 適切な解像度・ファイル形式で電子化する。
- 文書検索を容易にするため、ファイル名やメタデータを統一する。
- アクセス権限を設定し、情報漏えいを防止する。
- 定期的なバックアップとデータ保全を行う。
相違点
- 企業は「業務効率・コスト削減・利益向上」を重視し、費用対効果を考慮した電子化が重要です。
- 自治体・官公庁は「法令遵守・住民への説明責任・公文書の保存」を最優先とし、文書の真正性・完全性・長期保存性を確保することが特に重要です。
このように、企業は「経営効率」、自治体・官公庁は「公共性と法令遵守」を軸に電子化を進める必要があります。
当社は創業以来、多くの自治体サービスと大企業の図面管理をサポートしてまいりました。図面・資料のプロとして、これから電子化をお考えのご担当者様の良きパートナーとしてより良いご提案をご用意してまいります。
図面や資料の電子化をお考えの際には、是非お声掛け下さい。

















