図面スキャンで失敗しないために|作業前に確認すべきポイントと画像補正の注意点

図面スキャンは「読み取るだけ」ではありません

図面の電子化というと、「紙図面をスキャンしてPDFにするだけ」と考えられがちですが、実際にはスキャン前の確認事項によって、完成するデータの品質や使いやすさは大きく変わります。

特に建築図面や設備図面、土木図面などは、電子化後の用途によって最適な保存形式や画像処理が異なります。また、古い図面では経年劣化による汚れや変色も多く、そのままスキャンすると図面本来の情報が見えにくくなってしまう場合もあります。

当社では図面スキャンを行う際、お客様のご要望を確認しながら、用途に応じた画像処理や補正方法をご提案しています。

今回は、図面スキャン前に確認しておきたい代表的なポイントをご紹介します。


1.スキャン後の用途を確認する

最初に確認すべきことは、「電子化した図面を何に使用するか」です。

用途によって、最適な保存形式やスキャン方法は異なります。

閲覧・保管が目的の場合

図面をパソコンやタブレットで閲覧したり、社内で共有したりする目的であれば、PDF形式が最も一般的です。

PDFは複数ページを一つのファイルにまとめられるほか、多くのパソコンで特別なソフトがなくても閲覧できるため、図面管理にも適しています。

CAD化や画像編集を予定している場合

CADトレースやラスベク変換、画像編集などを予定している場合には、TIFF形式が適しています。

TIFFは画像劣化が少なく、高画質なまま保存できるため、後工程での画像処理にも向いています。

また用途によっては、

  • カラー・グレースケール・モノクロ
  • 解像度(dpi)
  • 圧縮方式
  • OCR処理の有無
  • ファイル名の付け方

なども事前に決めておく必要があります。

電子化後に「やはり別の形式で欲しかった」となると再作業になる場合もあるため、最初の確認は非常に重要です。


2.図面の状態に応じて画像補正を行う

図面には新品のものばかりではありません。

当社へご依頼いただく図面の多くは、

  • 青焼き図面
  • 白焼き図面
  • コピー図面
  • 長期間保管された原図

など、経年劣化が進んでいるものです。

このような図面では、

  • 紙全体が黄ばんでいる
  • 地肌が黒く写る
  • コピー時のムラが残っている
  • シミや汚れが多い

といった状態が珍しくありません。

ノイズ除去(地肌除去)

このような場合に行う代表的な画像処理が「ノイズ除去(地肌除去)」です。

背景の汚れを除去することで、

  • 線が見やすくなる
  • ファイル容量が小さくなる
  • OCR精度が向上する

など、多くのメリットがあります。

しかし一方で注意点もあります。

背景と一緒に、

  • 小数点
  • ドット
  • 細い文字
  • 細かな記号

まで消えてしまう可能性があります。

図面によって最適な除去レベルは異なるため、一律の設定ではなく、原稿の状態を確認しながら処理することが重要です。


3.斜行補正(水平補正)の確認

大型図面をスキャンすると、わずかに図面が傾いて読み取られることがあります。

人の目では気にならない程度でも、CADへの取り込みや複数図面を比較する際には、この傾きが大きな影響を与える場合があります。

そのため必要に応じて「斜行補正」を行い、図面を正しい水平・垂直に補正します。

これにより、

  • 閲覧しやすい
  • 印刷時に違和感がない
  • CAD作業がしやすい

といったメリットがあります。


4.図郭の直角補正

図面管理を行う企業では、図面サイズを統一したいというご要望も少なくありません。

このような場合には、図面外周ではなく「内図郭」の四隅を基準として直角補正を行います。

図郭の四隅をそれぞれ補正することで、

  • A1サイズ
  • A2サイズ
  • A3サイズ

など、規格サイズに近い状態へ整えることができます。

特にデータベース管理やCAD図面との重ね合わせでは、この補正が重要になる場合があります。


画像補正には注意点もあります

画像補正は便利な機能ですが、万能ではありません。

斜行補正や直角補正は画像処理ソフトによって行われるため、元画像を数学的に変形させています。

補正量が大きい場合には、

  • 線幅が変わる
  • 文字がわずかに変形する
  • 全体が微妙に歪む

可能性があります。

そのため、画像補正を行う際には、その効果だけでなく影響についても事前にご理解いただくことが大切です。

当社では、お客様の用途や求められる精度を確認した上で、必要な補正をご提案しています。


図面電子化は「スキャン品質」がその後の業務を左右します

図面スキャンでは、

  • 保存形式
  • 解像度
  • カラー設定
  • ノイズ除去
  • 斜行補正
  • 図郭の直角補正
  • ファイル名
  • OCR処理

など、多くの確認事項があります。

これらを用途に応じて適切に設定することで、電子化後の図面は「見るためのデータ」だけでなく、「活用できるデータ」として長く利用できます。

当社では、建築図面・設備図面・土木図面・機械図面など、さまざまな図面の電子化実績をもとに、お客様の運用方法まで考慮した最適なスキャン方法をご提案しております。

図面の電子化をご検討の際は、単にスキャンするだけではなく、電子化後の活用方法まで見据えたご相談をおすすめいたします。

この記事の監修者

監修者 関谷の似顔絵

株式会社エビス
JIIMA 文書情報管理士1級関谷

1998年に入社後、コピー・データ入力などの業務を経て、CD/DVD製作に従事しています。その他、スキャン作業から版下作成など多岐に渡る業務の中で、電子化された文書管理について重要性を感じています。
また、お客様からお預かりしている電子メディアの保管管理について、文書情報管理士1級を取得したことで、知識を広げることができました。これからも、お客様へより良い提案ができるよう勉強を続けていきます。

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