図面電子化では「原図の素材」を知ることが重要
建築・土木・設備業界では、図面の電子化が急速に進んでいます。しかし、一口に「図面」と言っても、その素材はさまざまであり、素材ごとに適したスキャン方法が異なります。
特に古い図面では、青焼き・マイラー・トレーシングペーパー・ユニパー・ブランコピー・白焼き・和紙など、現在ではあまり目にすることのない原稿が数多く存在します。
これらの素材を十分に理解せずにシートスルータイプのスキャナーで読み込むと、図面を破損させたり、大切な情報を失ってしまう恐れがあります。
今回は、図面電子化の現場で実際によく取り扱う原図素材について詳しくご紹介します。

青焼き(陽画)|最も多く電子化される図面
当社へご依頼いただく図面電子化案件の中で、最も多いのが**青焼き(陽画)**です。
青焼きは、トナー定着型コピー機が普及する以前から建築・土木業界で広く利用されてきた複写図面であり、長年にわたり現場図面の標準として使用されてきました。
青焼きには主に二つの種類があります。
- 白地に青色で発色する一般的な陽画
- 青地に白色で発色する古いネガ・ポジ反転タイプ
どちらもジアゾ感光紙にアンモニア蒸着で発色させる方式で作成されています。
現在でも多くの企業で保管されていますが、経年劣化によって次のような症状が見られます。
- 発色が薄くなる
- 紫外線による退色
- 紙の黄ばみ
- 破れ
- 折れやシワ
コピー用紙より厚みはあるものの、古い青焼きは非常に傷みやすく、電子化には慎重な取り扱いが求められます。
第2原図とは?マイラー・トレーシングペーパー・ユニパー・ブランコピー
青焼きは複製図面ですが、その元となるものが第2原図です。
代表的な素材には次のようなものがあります。
- マイラー
- トレーシングペーパー
- ユニパー
- ブランコピー
これらは透明または半透明の素材で作られており、青焼きを感光させるための原稿として使用されてきました。
複製図面である青焼きよりも情報が鮮明であることから、現在でも非常に価値の高い図面として扱われています。
図面電子化においても、
- 線が鮮明
- 寸法が読みやすい
- 修正履歴が残っている
など、多くのメリットがあります。
マイラー|耐久性に優れた高品質な原図
マイラーはポリエステルフィルムを使用した透明原稿です。
耐久性・寸法安定性に優れており、
- 建築図面
- 設備図面
- 配管図面
- 機械図面
など長期間保存する図面に数多く使用されてきました。
現在でも保存状態の良いマイラー原図は非常に多く、電子化することで原図本来の情報を高精細に保存できます。
トレーシングペーパー|最も慎重な取り扱いが必要な原図
第2原図の中でも特に注意が必要なのがトレーシングペーパーです。
半透明の紙素材であるため、
- 湿度の影響を受けやすい
- 折れやすい
- 破れやすい
- 経年で硬化・脆化しやすい
という特徴があります。
近年では、このような貴重な原図を保護するため、シートスルータイプのスキャナーを避け、原稿を動かさずに読み取るフラットベッドタイプやオーバーヘッドタイプの非破壊スキャンをご希望されるお客様が増えています。
ユニパー・ブランコピー|修正用として活躍した第2原図
ユニパーやブランコピーは、ジアゾ感光方式による第2原図です。
マイラーよりも安価で扱いやすく、設計変更や部分修正用として数多く利用されてきました。
いわば「簡易版マイラー」ともいえる存在ですが、紙質や感光層の耐久性は高くなく、現在では
- 破損
- 汚れ
- 変色
- 感光劣化
が進んでいるものも少なくありません。
そのため、現存する状態の良い原図は年々減少しており、電子化による保存価値が非常に高い素材となっています。
白焼き(トナーコピー)|現在も使われる複写図面
現在最も一般的な図面複写方式が、トナー定着による白焼きです。
ジアゾ方式とは異なり、紙の表面にトナーを熱で定着させる方式であるため、
- コピー品質が安定
- 作成コストが低い
- 大量出力に向く
というメリットがあります。
一方で長期間保存すると、
- トナーが剥離する
- トナーが粉状になる
- 高温多湿でトナーが溶着する
- 他の図面へ転写する
など、トナー特有の経年劣化が発生することがあります。
保存状態によっては、早めの電子化が重要です。
和紙図面|文化財にもなる最も貴重な原図
最も古い図面素材が和紙図面です。
マイラーやトレーシングペーパーが普及する以前に作成された図面であり、古い建築図面や土木図面、城郭図、古地図などに多く見られます。
中には文化財として保存される「絵図面」もあり、単なる設計資料ではなく歴史的価値を持つ資料も少なくありません。
和紙は非常に繊細で、
- 破れやすい
- 折り目から裂けやすい
- 虫害を受けやすい
- 湿度変化の影響を受けやすい
という特徴があります。
そのため、電子化の際にはシートスルータイプのスキャナーは適しておらず、原稿を動かさずに読み取るフラットベッドタイプやオーバーヘッドタイプによる非破壊スキャンが推奨されます。
原図素材に応じたスキャナー選びが電子化品質を左右する
図面電子化では、「どのスキャナーを使うか」ではなく、「どの素材にどのスキャナーを使うか」が重要です。
大量処理に適したシートスルースキャナーは効率に優れていますが、すべての図面に適しているわけではありません。
原図の材質や劣化状況を見極め、必要に応じて非破壊スキャンへ切り替えることで、貴重な資料を安全にデジタル化できます。
60年の経験で、あらゆる図面素材に対応
当サイト「図面電子化センター」では、
- 青焼き
- マイラー
- トレーシングペーパー
- ユニパー
- ブランコピー
- 白焼き
- 和紙図面
など、あらゆる図面素材の電子化に対応しています。
創業以来60年以上にわたり培ってきた図面複写・印刷・電子化の知識と経験をもとに、原図の状態や素材に合わせた最適なスキャン方法をご提案しています。
「この図面は電子化できるだろうか」「破れている原図でも対応できるだろうか」といったご相談にも丁寧に対応しておりますので、古い図面や貴重な原図の電子化をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。

















