建物の新築や改修工事が完了すると、図面だけでなく、施工に関するさまざまな資料が「完成図書」として残されます。
完成図書には、竣工図や施工図をはじめ、設備資料、仕様書、検査記録、機器資料などが含まれることがあります。しかし、これらが紙のファイルや製本された状態で保管されていると、必要な資料を探すのに時間がかかったり、保管スペースが必要になったりします。
そこで有効なのが、完成図書を電子化してデータとして整理する方法です。

完成図書とは?
完成図書とは、建物や設備の工事が完了した際に、工事内容や完成した状態を確認・記録するためにまとめられる資料のことです。
具体的には、
- 竣工図・完成図
- 建築図面
- 電気設備図
- 空調・衛生設備図
- 配管図
- 施工図
- 各種仕様書
- 機器資料
- 試験・検査記録
- 工事写真
などが含まれる場合があります。
実際にどの資料を完成図書として保管するかは、建物や工事の内容によって異なります。
完成図書を電子化するメリット
完成図書を電子化する大きなメリットは、必要な資料を探しやすくなることです。
紙の完成図書が複数のファイルや製本に分かれていると、目的の資料を探すだけでも時間がかかります。
電子化してファイル名や管理情報を整理しておけば、パソコン上で検索し、必要な資料をすぐに確認できます。
また、紙資料を大量に保管する必要がなくなるため、書庫や倉庫のスペース削減にもつながります。
図面だけでなく関連資料もまとめて電子化する
完成図書を電子化する際は、図面だけを対象にするのではなく、関連する資料もまとめて整理する方法があります。
例えば、
建築図面
↓
設備図面
↓
仕様書
↓
機器資料
↓
検査記録
というように、建物や設備に関する資料を一つの体系として管理します。
図面と関連資料をまとめて電子化しておけば、後から改修工事や設備点検を行う際にも、必要な情報を探しやすくなります。
製本された完成図書も電子化できる
完成図書の中には、図面が製本された状態で保管されているものもあります。
製本された図面を一般的なA3複合機などで1枚ずつスキャンするのは、手間がかかるうえ、大判図面では対応できない場合があります。
そのため、製本状態や図面サイズに応じて、適切なスキャン方法を選ぶことが重要です。
特にA1・A2などの大判図面や、簡単に取り外せない製本図面については、原稿を傷めない方法で電子化できるかを確認する必要があります。
関連情報: 図面製本を電子化するなら「非破壊」と「解体再製本」を使い分けるのがポイント
電子化するデータ形式を決める
完成図書を電子化する場合、どのデータ形式で保存するかも重要です。
一般的な閲覧・保管を目的とする場合はPDFが利用しやすいでしょう。
一方で、画像データとして保存したい場合はTIFFやJPEGなども選択肢になります。
また、図面を検索できるようにしたい場合はOCRを利用する方法もあります。
重要なのは、「何のために電子化するのか」を先に決めることです。
単純な保管なのか、日常的な閲覧なのか、将来の改修工事で利用するのかによって、適した仕様は変わります。
ファイル名と管理情報を整理する
完成図書を電子化した後に困りやすいのが、「データはあるけれど、どのファイルが何なのか分からない」という問題です。
そこで、電子化する前にファイル名や管理項目のルールを決めておきます。
例えば、
- 建物名
- 階数
- 図面番号
- 図面名称
- 資料種類
- 作成年月
- 改訂番号
などです。
図面だけでなく関連資料にも一定のルールを設けることで、担当者が変わっても必要な資料を探しやすくなります。
完成図書は「最新版」だけでよいとは限らない
完成図書を整理するときは、どの資料を残すのかも確認しておきましょう。
例えば、改修工事を繰り返している建物では、過去の完成図や設備資料が後から必要になることがあります。
そのため、
- 新築時の完成図
- 改修工事後の完成図
- 過去の設備資料
- 更新前の図面
などを、作成年月や工事名称などで区別して保存すると分かりやすくなります。
最新版だけを残すのではなく、将来必要になる可能性がある資料を適切に残すことも大切です。
大量の完成図書は一括して整理する
完成図書が複数の建物や施設に分散している場合は、電子化の前に全体量を把握しておくことをおすすめします。
例えば、
- 建物A
- 建物B
- 工場
- 倉庫
- 管理施設
など、施設ごとに資料を整理します。
そのうえで、図面のサイズや種類、製本状態などを確認すると、電子化に必要な作業量やスケジュールを検討しやすくなります。
電子化後はバックアップも重要
完成図書を電子化した後は、データのバックアップも忘れてはいけません。
せっかく紙の完成図書を電子化しても、保存しているパソコンやサーバーが故障すると、データを失う可能性があります。
重要な完成図書については、複数の保存先を用意するなど、社内の情報管理ルールに沿ってバックアップ方法を検討しましょう。
また、アクセス権限を設定し、必要な担当者だけが閲覧・編集できるようにすることも重要です。
まとめ
完成図書には、建物や設備を将来にわたって管理するための重要な情報が含まれています。
紙のまま保管していると、必要な資料を探すのに時間がかかったり、保管スペースが必要になったりします。
完成図書を電子化する際は、
- 図面だけでなく関連資料も対象にする
- 製本や大判図面に適した方法でスキャンする
- 利用目的に合わせてデータ形式を決める
- ファイル名や管理情報を統一する
- 最新版と過去資料を区別して保存する
- 電子化後のバックアップも考える
といった点がポイントです。
完成図書は、建物の改修や設備更新など、将来の維持管理にも利用できる重要な資料です。単に紙をPDFに変換するだけでなく、必要なときに誰でも資料を探して利用できる状態まで考えて電子化することが大切です。
図面電子化センターでは、A0・A1・A2などの大判図面や、製本された図面、各種建築・設備資料の電子化に対応しています。完成図書をまとめて整理・電子化したい場合も、原稿の状態や利用目的に合わせた方法をご提案します。
















