建物や工場などで保管されている図面を電子化しようとすると、建築図面だけでなく、設備図面や電気図面など、さまざまな種類の図面が混在していることがあります。
図面の種類ごとに保管場所や管理方法が異なる場合もあり、「まとめて電子化したいけれど、どのように整理すればよいか分からない」というケースも少なくありません。
複数種類の図面を電子化するときは、スキャンする前に図面を分類し、電子化後のデータ構成まで考えて整理することが重要です。

図面の種類を大きく分類する
まずは、保管されている図面を種類ごとに分類します。
代表的な分類としては、
- 建築図面
- 構造図面
- 電気図面
- 空調設備図面
- 給排水・衛生設備図面
- 機械設備図面
- 配管図面
- 改修工事図面
などがあります。
すべてを細かく分類する必要はありません。まずは「建築」「設備」「電気」など、大きなカテゴリーに分けるだけでも整理しやすくなります。
建築・設備・電気を混ぜたままにしない
例えば一つの建物について、
建築図 → 電気図 → 空調図 → 衛生図
というように種類ごとにまとめておくと、電子化後も目的の図面を探しやすくなります。
反対に、図面の種類を確認せず、保管されている順番のままスキャンすると、電子化後に「この図面は何の図面なのか」を一枚ずつ確認する必要が生じることがあります。
特に大量の図面では、電子化前の仕分けが、その後のデータ管理のしやすさにつながります。
建物・施設ごとにまとめる
複数の建物や施設の図面を保管している場合は、図面の種類だけでなく、建物単位でも分類します。
例えば、
本社ビル
- 建築図
- 電気図
- 空調図
- 衛生図
工場A
- 建築図
- 構造図
- 電気図
- 配管図
という構成です。
このようにすると、「工場Aの電気設備図」のように、必要な図面を探しやすくなります。
改修工事の図面は別に整理する
過去の改修工事で作成された図面がある場合は、新築時の図面と区別しておくことも重要です。
例えば、
- 竣工時図面
- 2018年改修
- 2021年設備更新
- 2024年電気工事
など、工事ごとに分類します。
古い図面だからといって、すべて不要とは限りません。改修前の状態を確認するために必要になることもあるため、「現行図面」と「過去の図面」を区別して保存すると管理しやすくなります。
図面番号がバラバラでも無理に統一しない
複数の時期に作成された図面では、図面番号のルールが異なることがあります。
例えば、
- A-101
- E-201
- M-05
- 設備図3
などが混在しているケースです。
このような場合、すべての番号を無理に変更する必要はありません。
既存の図面番号を残しながら、
- 図面名称
- 建物名
- 図面種類
- 作成年月
- 改訂番号
- 工事名称
などを一覧で管理する方法があります。
既存の情報を活用することで、整理作業の負担を抑えられます。
電子化後のフォルダ構成を先に決める
電子化前に、納品後のデータをどのように整理するか決めておくとスムーズです。
例えば、
本社ビル
- 建築
- 構造
- 電気
- 空調
- 衛生
- 改修工事
工場A
- 建築
- 電気
- 機械
- 配管
- 改修工事
といったフォルダ構成です。
さらにファイル名を、
A-101_1階平面図.pdf
E-201_電気設備平面図.pdf
のように統一すれば、ファイル名から内容を判断しやすくなります。
図面一覧を作っておく
大量の図面を電子化する場合は、図面一覧を作成することをおすすめします。
例えば、
| 管理番号 | 建物 | 種類 | 図面名称 | 改訂 | 備考 |
| A-001 | 本社 | 建築 | 1階平面図 | Rev.2 | 現行 |
| E-001 | 本社 | 電気 | 電気設備図 | Rev.3 | 現行 |
| M-001 | 工場A | 機械 | 配管図 | Rev.1 | 改修前 |
といった情報をまとめます。
この一覧があれば、電子化前の原稿と電子化後のデータを照合しやすくなり、スキャン漏れの確認にも役立ちます。
すべて同じスキャン仕様にする必要はない
建築・設備・電気図面をまとめて電子化する場合でも、すべての図面を同じ条件でスキャンする必要はありません。
例えば、細かい文字や記号が多い図面と、比較的シンプルな図面では、適した解像度が異なる場合があります。
また、
- 青焼き
- 白焼き
- マイラー
- トレーシングペーパー
- 手書き図面
- 製本された図面
など、原稿の状態によっても適したスキャン方法が変わります。
図面の種類だけでなく、原稿の状態や電子化後の用途も考慮して仕様を決めることが大切です。
電子化前に「何を残すか」も確認する
図面を整理していると、同じような図面が複数見つかることがあります。
しかし、見た目が似ていても、改訂内容や工事時期が異なる場合があります。
そのため、
- 最新版か
- 改修前の図面か
- 現場で使用した図面か
- 手書きの変更が残っているか
- 将来参照する可能性があるか
などを確認してから廃棄・電子化の判断をします。
特に過去の改修図面は、現在の状態と比較するために役立つことがあります。
まとめ
建築図面・設備図面・電気図面をまとめて電子化する場合、単純にすべての図面をスキャンするだけでは、電子化後の管理が難しくなることがあります。
まずは、
- 建築・設備・電気など大きく分類する
- 建物・施設ごとに整理する
- 新築図面と改修図面を区別する
- 既存の図面番号を活用する
- 図面一覧を作成する
- 電子化後のフォルダ構成を決める
- 図面の種類や状態に応じて仕様を検討する
といった準備を行いましょう。
図面電子化では、「どのようにスキャンするか」だけでなく、「電子化した後にどう探し、どう使うか」まで考えて整理することが重要です。
複数種類の図面をまとめて電子化する場合も、事前に分類方法やデータの管理ルールを決めておけば、電子化後の検索や図面管理がスムーズになります。
図面電子化センターでは、A0・A1・A2などの大判図面をはじめ、青焼き・白焼き・マイラー・製本図面など、さまざまな原稿の電子化に対応しています。建築・設備・電気など複数種類の図面をまとめて電子化する場合も、原稿の状態や利用目的に合わせた整理・データ化について最適なプランをご提案いたします。
















