大量の図面を電子化するとき、「図面に管理番号が付いていない」という問題に直面することがあります。
古い図面や過去の工事図面では、図面番号が記載されていなかったり、図面ごとに番号の付け方が異なっていたりするケースもあります。
管理番号がないまま電子化すると、後から「この図面は何の図面なのか」「同じ図面が重複していないか」といった問題が起こりやすくなります。
そこで、電子化前に図面へ管理番号を付けておくと、電子化後の検索や管理がしやすくなります。
ここでは、管理番号がない図面を電子化するときの番号の付け方について解説します。

なぜ図面に管理番号が必要なのか?
図面を電子化すると、紙のファイルから図面を探すのではなく、パソコンなどでデータを検索することになります。
その際、ファイル名が「scan001.pdf」「scan002.pdf」のようになっているだけでは、どの図面なのか判断できません。
例えば、
- 建物名
- 棟・フロア
- 図面の種類
- 図面番号
- 改訂番号
などを整理しておけば、目的の図面を見つけやすくなります。
管理番号は、紙図面と電子データを結び付けるための「目印」としても役立ちます。
1.まず現在の図面情報を整理する
番号を付ける前に、保管している図面の種類を確認します。
例えば、
- 建築図
- 構造図
- 電気設備図
- 空調設備図
- 衛生設備図
- 機械設備図
- 配管図
- 改修工事図
などに分類します。
さらに、建物や工事ごとに分けられる場合は、建物名や工事名称も整理します。
この段階では、いきなり細かい番号を付けるよりも、どのような図面が何枚あるのかを把握することが重要です。
2.管理番号のルールを決める
次に、図面に付ける管理番号のルールを決めます。
例えば、
A-001
A-002
A-003
のように連番にする方法があります。
また、図面の種類を含めて、
ARC-001(建築)
STR-001(構造)
ELE-001(電気)
MEC-001(機械)
などとする方法もあります。
どちらが正しいということではなく、自社で分かりやすく、長期間運用できるルールにすることが大切です。
3.番号に情報を詰め込みすぎない
管理番号を作るときは、番号だけですべての情報を表そうとしないこともポイントです。
例えば、
「本社ビル・3階・電気設備・2025年改修・最新版」
という情報をすべて番号に含めようとすると、非常に長くなってしまいます。
管理番号は、
ELE-003
程度のシンプルな番号にして、別途、
- 図面名称
- 建物名
- 作成年月
- 改訂番号
- 備考
などを管理する方法もあります。
番号はシンプルに、詳細情報は別途管理すると、後から運用しやすくなります。
4.既存の図面番号がある場合は無理に変更しない
すべての図面に管理番号がないとは限りません。
例えば、一部の図面には「A-101」、別の図面には番号がないというケースもあります。
この場合、既存の番号をすべて新しい番号に置き換える必要はありません。
既存の図面番号をそのまま利用し、番号がない図面だけに新しい管理番号を付ける方法もあります。
例えば、
| 管理番号 | 既存図面番号 | 図面名称 |
| A-101 | A-101 | 1階平面図 |
| A-102 | A-102 | 2階平面図 |
| A-103 | なし | 屋上平面図 |
というように管理できます。
既存情報を活かすことで、図面の整理作業を減らせます。
5.図面一覧を作成する
管理番号を付ける際には、「図面管理台帳」や「図面一覧」を作成しておくと便利です。
例えば、
| 管理番号 | 図面名称 | 種類 | 作成年月 | 改訂 | 備考 |
| A-001 | 1階平面図 | 建築 | 2020年4月 | Rev.2 | 現行 |
| A-002 | 2階平面図 | 建築 | 2020年4月 | Rev.2 | 現行 |
| E-001 | 電気設備図 | 電気 | 2018年8月 | Rev.1 | 改修前 |
といった形です。
この一覧を作っておけば、電子化後のファイル名を決める際にも利用できます。
例えば、
A-001_1階平面図.pdf
のように、管理番号と図面名称を組み合わせれば、ファイルを開かなくても内容を判断しやすくなります。
6.電子化前に「重複」も確認する
大量の図面を整理していると、同じ図面が複数枚保管されていることがあります。
単純にすべてへ番号を付けると、同じ図面に別々の管理番号を付けてしまう可能性があります。
そこで、番号を付ける前に、
- 同じ図面が複数ないか
- 改訂前と改訂後を区別できているか
- コピーと原本を区別する必要があるか
- 別の工事で同じ図面が使われていないか
などを確認します。
特に過去の改修図面では、似たような図面が複数存在するため、「同じように見える図面」と「同一の図面」を区別することが重要です。
7.管理番号は電子化後も継続して使う
せっかく電子化前に番号を付けても、電子化した後に別のルールで管理すると、紙とデータの対応関係が分からなくなってしまいます。
そのため、管理番号は、
紙図面 → スキャンデータ → 電子データの管理台帳
まで一貫して使用することをおすすめします。
新しい図面が追加された場合も、同じルールで番号を付ければ、図面管理を継続しやすくなります。
管理番号を付ける作業も電子化業者に相談できる
図面の枚数が少なければ社内で整理できますが、数千枚、数万枚になると、すべての図面を確認して番号を付ける作業自体が大きな負担になります。
その場合は、電子化業者に、
- 図面の仕分け
- 枚数確認
- 管理番号の付与
- ファイル名の設定
- 図面一覧の作成
- スキャン
- 納品データの整理
まで相談できる場合があります。
大量の図面を電子化する場合は、単に「何枚スキャンするか」だけでなく、電子化前の整理作業も含めて依頼できるかを確認するとよいでしょう。
まとめ
管理番号のない図面を電子化する場合、まず図面を整理し、分かりやすい番号のルールを決めてから電子化することが重要です。
ポイントは、
- 図面の種類や保管状況を整理する
- 管理番号のルールを決める
- 番号はできるだけシンプルにする
- 既存の図面番号は可能な限り活用する
- 図面一覧・管理台帳を作る
- 重複や改訂版を確認する
- 電子化後も同じ管理番号を使用する
という点です。
管理番号は単なる数字ではなく、紙図面と電子データを結び付け、必要な図面を探すための重要な情報です。
特に大量の図面を電子化する場合は、スキャン作業だけを先に進めるのではなく、電子化前に図面の管理方法を整理しておくことで、電子化後の検索性や管理効率を高めることができます。
図面電子化センターでは、A0・A1・A2などの大判図面をはじめ、青焼き・白焼き・マイラー・製本図面など、さまざまな図面の電子化に対応しています。管理番号やファイル名など、電子化後の利用方法を考慮したデータ整理についても最適なプランをご提案いたします。
















